「株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす」ジェレミー・シーゲル著
を読みました。
結論から言うと、これは米国株式投資を志す人は必読の最高の名著の一つと言っても過言ではありません。
株式投資を行なっている人なら誰でも抱えている疑問に対して、十分なデータを用いて理論的に解説してあり、説得力があります。
特に本の中で書かれている「成長の罠」についてはおそらく多くの投資家にとって一考に値すると思うし、個人的にも失敗したことがあるので肝に命じたいと思います。
Contents
概要
本書は、長期的な株式投資の重要性と、真に価値のある投資先を見極める方法について解説したものです。シーゲル教授は、過去200年にわたる市場データを分析し、成長性の高い企業よりも配当を出し続ける企業が長期的に高いリターンをもたらすことを示しています。
主なポイント
1. 成長株よりも成熟株が有利
多くの投資家は急成長するハイテク株や新興企業を好みますが、シーゲルは長期的に見ると配当を出す成熟企業の方が高いリターンを得やすいと主張します。
- 例:マイクロソフトやシスコのような高成長企業よりも、コカ・コーラやP&Gのような老舗企業の方が安定したリターンをもたらした。
2. 配当の重要性
株式投資のリターンは「キャピタルゲイン(値上がり益)+配当」の合計で決まります。特に、配当を再投資することで長期的に資産を増やせることが証明されています。
- **「配当込みリターン」**を重視することで、単なる株価上昇だけに注目するよりも有利な投資判断ができる。
3. P/E(株価収益率)の低い企業が狙い目
市場では、成長率が高い企業の株価が過大評価されることが多く、P/E(株価収益率)が高い銘柄は将来的なリターンが低くなりがちです。
- 過去のデータを見ると、P/Eの低い企業の方がリターンが高くなる傾向がある。
4. グローバル投資の重要性
本書では、米国市場が長期的に強いことを示しつつも、新興国市場やグローバル企業にも注目することを推奨しています。
- 例:中国やインドなどの成長市場も視野に入れ、分散投資することが望ましい。
5. 過去のデータに基づく投資戦略
シーゲルは、歴史的なデータを基に「長期的に成功する投資戦略」を分析し、以下のようなポイントを推奨しています。
- 定期的に投資し続ける(積立投資)
- 市場の一時的な変動に惑わされない(長期目線)
- 過去のデータを重視し、過熱した銘柄には手を出さない
結論:シーゲル流の投資戦略
- 配当を出す企業(高配当株)を重視する
- 過去のデータに基づき、割安な企業を選ぶ
- 市場のトレンドに流されず、長期投資を貫く
- グローバルな視点を持ち、分散投資する
シーゲルの分析によると、一時的なブームや流行に飛びつくのではなく、安定した企業に長期投資することが最も成功する方法であるとされています。
ジェレミー・シーゲルは、過去200年のデータ分析をもとに、長期的に最も高いリターンを得るための投資手法を提案しています。彼の推奨する投資戦略のポイントは以下の通りです。
1. 高配当・連続増配株への長期投資
→ 成長株ではなく、安定した配当を出し続ける企業に投資する
理由
- 過去のデータを見ると、配当を再投資することでリターンが大幅に増加する
- 配当を出し続ける企業は財務が健全で、不況でも安定している
- 成長株(例:IT企業)は市場の期待が高すぎて割高になりやすく、長期リターンが低くなることが多い
具体例(米国株)
- コカ・コーラ(KO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG) など、配当を何十年も増配し続けている企業が優良投資先
2. PER(株価収益率)が低く、割安な企業を選ぶ
→ 割高な人気株よりも、低PERの優良企業が高リターンをもたらす
理由
- 成長株はPER(株価収益率)が高くなりがちで、期待が高すぎると成長鈍化時に暴落しやすい
- 一方、PERが低い企業は市場に過小評価されやすく、長期的に見ればリターンが高くなる
- 例:ハイテクバブル崩壊時、シスコやマイクロソフトは大暴落したが、低PERのバリュー株は影響が少なかった
3. 株式は「永久保有」するのが基本
→ 頻繁な売買ではなく、長期保有(数十年単位)が最も高いリターンを生む
理由
- 市場の短期的な変動に惑わされず、「時間を味方につける」ことで複利の力を最大限活かせる
- 頻繁な売買は手数料や税金がかかり、結果的にリターンを減少させる
- 例:1920年代に投資された1ドルが2003年には59,000ドルに増加(配当込み)
4. インデックス投資も有効な選択肢
→ 個別株の選定が難しい場合、S&P500などのインデックスファンドを活用
理由
- 個別株選びが難しい場合は、市場全体に投資するインデックス投資が有効
- S&P500のような広範な市場指数は長期的に右肩上がり
- 例:S&P500は過去100年以上にわたり、平均7〜10%のリターンを記録
5. 新興国ではなく、安定した先進国市場を重視
→ 新興国の成長率は高いが、投資リターンは必ずしも高くない
理由
- 中国やインドなどの新興国経済は成長しているが、投資リターンが高いとは限らない
- 企業の経営リスクや規制リスクが高く、安定した先進国の企業(特に米国企業)の方が長期的に安全
6. 株式こそが最も優れた資産クラス
→ 債券やゴールドよりも、長期的には株式が最も高いリターンを生む
理由
- インフレに対抗できる資産は株式のみ(債券や金はインフレで価値が下がる)
- 1802年から2003年までのデータで、株式の年平均リターンは6.8%(インフレ調整後)
- 一方、国債は3.5%、金は0.6%しかリターンがなかった
【結論】シーゲル流の最適な投資戦略
✅ 配当を出し続ける成熟企業に投資する(特に連続増配株)
✅ PERが低いバリュー株を選び、割安で投資する
✅ 短期売買せず、長期(数十年)保有する
✅ 個別株が難しければ、S&P500などのインデックスファンドに投資
✅ 新興国よりも安定した先進国(特に米国)を中心に投資する
✅ 株式は長期的に最も高いリターンを生むため、コツコツ積み立てる
シーゲルは、「流行の銘柄に飛びつくのではなく、安定した企業に長期投資することが最も賢い方法だ」と主張しています。
これまでインデックス投資に勝るものは無いと考えていましたが、「大型優良高配当株に投資し、配当金を再投資する」というシーゲル流投資によってインデックスを超える成績を目指せると感じました。
まだまだ経験不足ですが、これからも勉強を続けながら、コツコツと投資を続けていきたいと考えています。
たった2000円程度でこれだけの質の高い情報が得られるなんてお得すぎですね。
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