先日Amazon Prime Videoで「すばらしき世界」を観ました。
2021年に公開されてからずっと気になっていた映画なので楽しみにしていたのですが、個人的にはこれまで観た中でトップクラスに好きな邦画となりました。
少しネタバレを含みますが感想を書きます。
あらすじ
下町の片隅で暮らす三上(役所広司)は、見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすいが、まっすぐで優しく、困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯だった。社会のレールから外れながらも、何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)が番組のネタにしようとすり寄ってくる。やがて三上の壮絶な過去と現在の姿を追ううちに、津乃田は思いもよらないものを目撃していく……。
感想
短気だが真っ直ぐな三上にとって世界は生きづらいが、その優しさ故に、またなんとか真っ当に生きようとする姿勢に動かされた周囲の人から助けられる。
津乃田以外にも、三上の身元引受人の弁護士・庄司勉(橋爪功)とその妻・敦子(梶芽衣子)、ケースワーカーの井口久俊(北村有起哉)、良く行くスーパーの店長の松本良介(六角精児)からの助けを借りつつ交流を深めていく。
生きる為には「自分に関係のない事には関わらないこと」という三上にとっては不都合な事実を、苦しみながらも徐々に受け入れていく姿に心を打たれる。
いずれ三上はとある老人介護施設で働くことになり今度こそカタギの人生を歩むと誓い、真面目に働き始める。三上はこの施設で働く介護士の阿部(田村健太郎)と親しくなったが、障害を持つ阿部は他の介護士から陰湿ないじめを受けていた。
ある時、介護士たちが阿部を笑いものにしている様を目の当たりにした三上は、目の前にあったハサミを手に取りかけたが辛うじて思い留まり、彼らの話に合わせて笑ってやり過ごす。
これで良かったのかと考えながら施設から帰ろうとすると阿部に呼び止められ、三上は阿部からコスモスの花をもらう。
大切に育てていたコスモスを切ってしまうことで後でまた他の介護士から怒られることは目に見えているが、阿部としては台風が来る前に室内に移そうと思ったのかもしれない、もしくは三上にあげようという優しさからの行動かもしれない、その真っ直ぐな笑顔を見た三上は真っ直ぐに慣れていない自分を投影して、同僚の前で阿部を庇う発言が出来なかった悔しさ、阿部への申し訳なさ等様々な葛藤で涙を流す。
このシーンは私も号泣しました。。。
私たちも日頃から、本当はこうした方が正義なのだが周囲に角が立つので妥協している、しかしこれで良かったのかという葛藤を密かに抱えているという経験はあると思います。
この世界に生きるということの生きづらさ、しかしこの世は悪いことばかりではなく周囲には助けてくれる人もたくさんいて、総じて言えば「すばらしき世界」ということ、むしろそう捉えて生きていきたいと思います。
まだ観ていない人はぜひ一度は観てみてほしい映画です!!
最後まで読んで頂いてありがとうございました!